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米国防情報局報告書「中国軍は民主国家の軍隊と本質的に違う」 [政治]

米国防情報局報告書「中国軍は民主国家の軍隊と本質的に違う」

防省傘下の情報機関、国防情報局(DIA)は先日、「中国の軍事力」と題する報告書を発表しました。報告書は、中国軍の軍事力強化とその脅威を明らかにしたうえ、中国軍と西側先進国の軍隊との本質について比較しました。
米国防情報局が、中国の軍事力に関する報告書を発表するのは今回が初めてです。報告書では、中国軍は設立当初から政治化された「党の軍隊(party army)」であり、中国共産党政権の存続を保証することを第一義としていると指摘しています。一方、米軍や大多数の西側国家の軍隊は、国を守ることを第一義としています。
在米時事評論家 唐靖遠氏
「中国軍は実際には党軍であり、その使命は中国共産党の大陸における独裁を保証することと、共産党の特権利益を守ることである。西側国家や正常な国では、軍隊は国のためのものであり、国家安全の保障を使命とする。政党の入れ替わりには介入しない」
米国在住の時事評論家、唐靖遠(とう・せいえん)さんは、中国軍は中国共産党が長期にわたって党と国家の概念を混同してきた結果の産物であり、中国共産党の暴力的な本質による結果であると指摘します。
報告書を執筆したのは、米国防情報局のロバート・アシュリー(Robert Ashley)長官で、報告書の序言の中で、「中国は空や海上、宇宙、情報の各分野に及ぶ能力を備えた頑強で破壊的な力を構築しており、これにより自らの意思を他国に押し付けることが可能になる」と述べています。
中国共産党は軍隊の管理強化の為に、以前の「総政治部」の役割に似た新しい政治工作部門を設立しました。報告書では、中国軍の政治工作は中国共産党による軍の統制を確保するためで、「政権は銃口から生まれる」といった毛沢東の言葉が理論根拠であると指摘しています。
在米時事評論家 唐靖遠氏
「毛沢東のこの言葉は、中国共産党が党組織を立ち上げから一歩一歩政権を奪い、またそれによって政権の統治を守り、現在まで至った理論根拠である。中国共産党は暴力と殺戮によって存続し、政権を維持してきた」
中国軍の幹部のほとんどは共産党員です。中国共産党の重要な権力機構である「中国共産党中央委員会」のメンバー205人のうち、およそ2割が軍の幹部を務めています。
1989年6月、中国共産党上層部は軍隊を派遣し、天安門での民主化運動を弾圧し、多くの学生や市民が虐殺されました。それ以降も、当局は異見者や自由を求める言論に対して弾圧を緩めておらず、中国国内における反共産党のムードは高まる一方です。
米国在住作家 遇羅文氏
「毛沢東は政権は銃で奪うと言ったが、デタラメな言い方だ。力さえあれば、誰でも人民を統治できるのか?これで合法性があると言えるのか。のちにさらに酷くなり、政権維持のためにも銃を使っている。だから人民から擁護されない」
報告書ではまた、中国は「極超音速」兵器開発と準中距離・中距離ミサイルの領域において、すでに米国をしのぐほどで、世界をリードしていると警戒感を示しました。さらに中国は、人工衛星を攻撃・破壊し、無力化させる技術を研究・発展させており、対人工衛星レーザーの研究も行なっている可能性があるとしています。このほか、サイバー空間における軍事力への投資も続けています。
報告書はまた、世界覇権を握るため、中国共産党は綿密な計画をたて、軍事衝突ギリギリのところまでの「戦争」を行なっていると指摘しています。
在米時事評論家 唐靖遠氏
「隙間を抜けることを繰り返しながら、二歩進んで一歩下がる方式で、静かに拡張を続けてきている。軍事衝突のレッドラインを踏まないように気をつけながら、一方では蚕食を続けて、姿を隠して他国の利益を侵している。実際には一種の超限戦の手段である」
報告書によると、米国防省の最新国家防衛戦略では、中国共産党は中国と同じ独裁モデルを世界に打ちたてようとしており、他国の経済、外交、安全保障の決定を否決する権利を獲得しようとしていると指摘しています。
元米海軍太平洋艦隊情報部長、ジム・ファネル氏は、「中国は地域的かつ世界的な覇権を懸(か)けた全面的で長期的な戦いをしている」と指摘し、その証拠もあると示しました。
在米時事評論家 唐靖遠氏
「中国軍は党軍だから、中国共産党の基本教義に従って動く。一方、中国共産党が従っている共産主義の基本教義の中で、最も根本的なのは、世界を統治することである。彼らの言葉で言うと、世界中に赤旗をさすことだ」
唐靖遠さんは、米国が今回初めて軍事力報告書を出したのは、米国の国家戦略に変化が生じ、中国共産党を最大の競争相手としてみなし始めたことをあらわしていると示します。報告書によって中国の軍事力とその脅威が明らかになりましたが、このことは中国共産党にとっては大きな打撃であると指摘します。
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